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スキー場で発生したスキーヤー同士の接触事故につき上方から滑降してきた者に過失があるとされた事例 |
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第一審 平成5年2月23日 札幌地裁 判決 請求棄却 控訴 平成4年(ワ)第360号損害賠償請求事件 控訴審 平成5年10月28日 札幌高裁 判決 控訴棄却 上告 平成5年(ネ)第77号同控訴事件 上告審 平成7年3月10日 最高裁第二小法廷 判決 破棄差戻し 平成6年(オ)第244号同上告事件 差戻し審 平成7年11月14日 札幌高裁 和解 |
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ゲレンデの下方を滑っていたスキーヤー(甲)と、上方から滑降してきたスキーヤー(乙)が衝突、負傷した甲が乙の過失を追及して損害賠償を請求した。 第一審および控訴審の判決は、いわゆる『受認の法則』を適用し、乙の滑走には違法性はないとして甲の訴えを退けたが、最高裁は『受任の法則』には言及しないまま、「スキー場において上方から滑降する者は、前方を注視し、下方を滑降している者の動静に注意して、その者との接触ないし衝突を回避することができるように速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を負うものというべきところ」「本件事故現場は急斜面ではなく、本件事故当時、下方を見通すことができたというのであるから、乙は甲との接触を避けるための措置を採り得る時間的余裕をもつて、下方を滑降している甲を発見することができ、本件事故を回避することができたというべきである」から乙にはこの注意義務を怠った過失があったとして、高裁判決を破棄し事件を札幌高裁に差戻した。 受認の法則については、これまでのスキー裁判でその具体的内容と適用ついて、深く吟味されないまま主張されたこともありましたが、この最高裁判決はスキー事故裁判における『受認の法則』適用を否定したものと理解してよいといえます。 差戻しを受けた札幌高裁は和解手続の中で、乙の過失を6割、甲の過失を4割として和解が成立した。しかし、スキーヤー同士の衝突事故の責任とその割合はあくまで状況をみて具体的に判断されるものであり、この割合を固定的に考えるのは間違いです。 |
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判例時報1526号/日本スキー教程・安全編 |